BMWのブレーキパッド交換はいつ?長持ちさせるポイントとは
車に必要不可欠なブレーキパッドは消耗品であり、乗っていればいずれは交換が必要なものです。
人気の高いBMWにおいても、適切なタイミングでブレーキパッドの交換は欠かせません。
この記事では、BMWのブレーキパッドの交換について、タイミングや費用の目安、そしてブレーキパッドを長持ちさせるための方法について解説します。
目次
BMWのブレーキパッドの交換目安とは?
BMWに乗っていて、ブレーキパッドの交換をしなければならない、というようなことを見聞きしたことがある方は多いでしょう。
しかし、そもそもブレーキパッドとはどのようなものか、なぜ交換が必要なのかということや、適切な交換タイミングの判断方法はあまり知らないという方も多いかもしれません。
ここではブレーキパッドの役割や、交換の判断基準について解説していきます。
ブレーキパッドの役割とは?
そもそも、ブレーキパッドとはどのようなものなのでしょうか。
ブレーキパッドとは、車の制動をするブレーキを構成する部品の一部です。
車の制動をするためには、タイヤを回すシャフトに取り付けられた「ブレーキローター」と呼ばれる部品に対し、ブレーキパッドで制動をかけることで減速を実現します。
このとき、ブレーキパッドはブレーキローターを挟み込み、「摩擦」を生み出すことでタイヤの動きを制動させ、減速・停止させるという仕組みです。
交換目安は残量チェック・警告表示で
先に解説したとおり、ブレーキパッドは摩擦によって車の動きに制動をかける部品です。
摩擦を生じさせる部品である以上、部品自体が摩耗していくことは避けられません。
そのため、ブレーキパッドは定期的に交換をする必要があります。
ブレーキパッドを交換するタイミングの目安は、残量のチェックと警告表示の確認から計ることができます。
「残量」とは、ブレーキパッドの厚みのことであり、「警告表示」は、「ブレーキパッドセンサー」による警告表示で、警告表示の方法には「機械式」「電気式」の2種類があります。
「機械式」はブレーキパッドに取り付けられた金属片によって物理的に警告し、「電気式」は、ブレーキパッドの残量に応じて電気的に警告してくれるというシステムです。
BMWのブレーキパッドの確認方法
ここからは、BMWのブレーキパッドの確認方法について解説します。
ブレーキパッドの確認にはいろいろな方法があり、摩耗したという兆候もそれぞれに異なります。
以下にその方法を解説するので、ブレーキパッドの摩耗状態を確認する際の参考にしてみてください。
ブレーキパッドの厚みを確認する
まず、BMWにおけるブレーキパッドの「厚み」の確認について解説します。
BMWのブレーキパッドは、新品で約10〜12mmほどの厚さのものが多いといえます。
この厚みが、ブレーキを使用して摩耗していくことにより、徐々に薄くなっていきます。
一般的には、ブレーキパッドの厚みが「3mm」前後になったら交換するべきタイミングが来たといえるでしょう。
ブレーキパッドの厚みは法的な決まりによって、「何㎜になったら交換しなければならない」と決められているわけではないため、極論を言えば「ブレーキが効けば良い」ということになってしまいます。
しかし、安全性の面から考えると、一般的な目安である3㎜前後で交換することをおすすめします。
ブレーキパッドの音を確認する
次に、ブレーキパッドの「音」について解説します。
ブレーキパッドが摩耗すると、それを知らせる目的で付けられている「ウェアインジケーター」と呼ばれる金属部品がブレーキローターと接触し、「キーキー」という音を発するようになっている場合があります。
ブレーキを踏んだときにこのような異音がするケースでは、すでにブレーキパッドが摩耗しているということになるため、ブレーキパッドの交換をするべきタイミングが来ていると考えて良いでしょう。
ただし、すべての車にウェアインジケーターが搭載されているわけではなく、「電気式」の警告を採用しているものもあります。
つまり、異音を鳴らして警告するのではなく、ブレーキ警告灯ランプを点灯させることで警告する仕組みを採用しているケースもあるということです。
そのため「変な音はしないから交換しなくても良いだろう」と安易に考えるのは危険です。
ブレーキフルード(オイル)の量を確認する
次に、「ブレーキフルード」について解説します。
ブレーキフルードとは、ブレーキオイルのことです。
このオイルは、ブレーキパッドを踏んだ際に、ブレーキパッドへ力を伝えるために働いているオイルです。
ブレーキパッドが動くたびにブレーキフルードも減るため、このオイルの残量が少なくなったらブレーキパッドも交換する必要性が高い時期であることを示しています。
ブレーキフルードはタンクに収められており、タンクには残量のメモリがあります。
最小メモリはMINまたはLOWERで、最大メモリはMAXまたはUPPERという表記が一般的です。
MINやLOWERのほうに残量が近づいている場合は、すでにブレーキフルードが残り少なくなっているということを意味しています。
車の走行距離・運転をする頻度から決める
車の走行距離や、運転をする頻度からもブレーキパッドの交換時期をある程度予測することができます。
ブレーキパッドは、走行距離が約1万㎞あたり1㎜程度のペースで摩耗すると言われています。
そのため、前回の交換時期から相当の走行距離を走った場合には、ブレーキパッドの交換を検討すると良いでしょう。
ただし、ブレーキパッドの摩耗するペースは必ずしも一定ではありません。
走行距離は予備的な情報として参考にしつつ、ブレーキパッドの他の状態とも見比べながら交換時期を見極める必要があります。
ブレーキディスクの確認もしておきましょう
ブレーキパッド・ブレーキフルードのほかに、ブレーキディスクについても注意が必要です。
ブレーキディスクは、雨に濡れたりすることで「錆」が生じてしまいます。
錆自体は金属部品には普遍的に発生するものなのですが、ブレーキを踏んだ際に、ブレーキパッドとの摩擦によって錆が除去され、それと一緒にブレーキディスク本体も摩耗していきます。
ブレーキディスクの摩耗が進んで、一定の厚さを下回ってしまうと、ブレーキディスクに亀裂が生じる可能性もあるため注意が必要です。
ブレーキフルード(オイル)の交換もしたほうが良い?
ブレーキフルードは、残量以外にも注意を要するポイントがあります。
それがブレーキフルードの劣化状態です。
以下にはブレーキフルードの状態の確認方法と、交換費用の目安について解説します。
ブレーキフルードの状態を確認
ブレーキフルードが劣化するとどのようになるのでしょうか。
そもそもオイルの劣化というのは、空気中の水分を吸収してしまった状態です。
水分を吸収したオイルは「沸点」が下がる、つまり、沸騰しやすくなるということを意味しています。
オイルが沸騰すると、ブレーキオイル内に気泡が発生し、この気泡によってブレーキが効きづらくなってしまいます。
これが、「ペーパーロック現象」と呼ばれる現象です。
交換のタイミングは「色」と「量」を確認
ペーパーロック現象を引き起こさないようにするためにも、ブレーキフルードの適切な交換は欠かせません。
この交換時期を見極めるには、リザーバータンクに入っている量と色について確認をします。
量については先述のとおりです。
ブレーキフルードの色は、劣化していない状態では黄色で、劣化した場合には茶色や黒っぽくなっているという特徴があります。
茶色や黒っぽい色になっているブレーキフルードは沸騰しやすい状態なので、早急に交換の手配をするのが良いでしょう。
交換費用の目安
ブレーキフルードを交換する際の費用は、本体価格と工賃の合計となります。
本体価格は約1Lにつき1,000〜2,000円前後ですが、工賃は整備工場によって異なります。
指定整備工場であれば5,000円前後、ディーラーでの交換であれば10,000円前後が目安であるといえます。
弊社Y’z ONEでは、交換の工賃は6,000円から承っております!
部品の費用は車種によって異なるため、お問い合わせください。
BMWのブレーキパッドの交換費用は?
では、BMWのブレーキパッドを交換する際の費用はどの程度を想定しておけば良いのでしょうか。
以下には、交換する場所・方法によっての交換費用の相場を解説します。
ディーラー・車販売店で交換する場合
まずは、ディーラーで交換する場合の費用です。
ブレーキパッドの交換は、部品代と工賃を合わせた金額となります。
純正部品では、フロント・リアいずれのブレーキパッドも約14,000〜26,000円前後です。
これが4本分となるため、概算費用として100,000円前後を想定しておくと良いでしょう。
また、ブレーキディスクを同時に交換する必要がある場合、さらにブレーキディスクの部品代約20,000円前後がプラスされます。
工賃については、ブレーキパッド・ブレーキディスクともに約8,000〜15,000円前後で、両方を交換する場合にはいずれかが割引となる場合が多いとされています。
工賃は先に述べた価格を目安とし、実際の価格はディーラーに問い合わせてみるのが良いでしょう。
車販売店での交換をご希望の場合、Y’z ONEへご相談ください!
弊社Y’z ONEでは、フロント・リアいずれのブレーキパッドも工賃10,000円から交換を承っております。
ブレーキディスクを同時交換の場合、工賃11,000円から承ります。
いずれの場合も、部品代は車種によって異なるため、お問い合わせください。
整備工場で交換する場合
整備工場に部品を持ち込んで交換を依頼するというケースもあるでしょう。
この場合、部品代は別として、整備工場では工賃だけを支払うこととなります。
部品持ち込みでの交換では、安いところでは1本あたり約5,000円という工場もあり、ディーラーでの交換よりも交換費用を抑えることができます。
ただし、サービス内容がディーラーとは異なり、新品ブレーキパッドの面取りやグリスアップなどをしてくれるか、そもそも持ち込み修理に対応しているかという点は、交換を依頼する前に確認しておく必要があります。
自分で交換することもできる?
ブレーキパッドの交換は、ディーラーや整備工場に依頼するのが一般的ではありますが、自分の車に限っては自分で交換することもできます。
ただし、他人の車のブレーキパッドの交換をすることはできません。
ブレーキパッドの交換は、法律によって認証を受けた場所で有資格者が行わなければならないと定められています。
BMWのブレーキパッドを交換する際の手順
以下には、自分でブレーキパッドを交換する際の手順について解説します。
DIYによるブレーキパッドの交換は費用を抑えられるというメリットがある反面、適切な手順で行わなければ事故などを起こす危険性があるため、手順をよく確認して行うようにしましょう。
BMWのブレーキパッドを取り外す
まずは、ブレーキパッドの取り外しを行います。
車をジャッキアップしたうえで、キャリパーのガイドピンを外し、キャリパーを取り外します。
これによって、ブレーキパッドを視認できるようになります。
キャリパーの「ブレーキピストン」を戻す
ブレーキパッドは、ピストンによって圧着されています。
このピストンを、専用のブレーキピストンツールを使って圧縮します。
このとき、ブレーキフルードが溢れ出てくる可能性があるため、作業前にフルードを抜いておくと安全です。
BMWに新しいブレーキパッドを取り付ける
次に、新しいブレーキパッドを取り付けます。
一部の車種のブレーキパッドでは、ブレーキパッドに付属するシムを移し替える必要があるものもありますが、BMWの場合は一体型であるため、そのまま取り付けが可能です。
このとき、キャリパーピストンやブレーキパッド各部に適合するグリスを塗布しましょう。
あとは、これまでの手順で行った逆の手順で、そのほかの部品を取り付けていきます。
純正のテスターを用いて設定
交換作業が終わったら、BMW純正のテスターを使用して、故障コードの削除、サービスインターバルをリセットします。
これで作業は完了となります。
ブレーキに関する作業は、手順を誤ると事故を引き起こす可能性が高くなるため、危険な作業です。
自分で作業を行うことに不安を感じる場合には、整備士へ依頼するのがおすすめです。
BMWのブレーキパッドの交換は、弊社Y’zOneにぜひ一度ご相談ください。
BMWの豊富な知識を携えた専任のスタッフが対応をさせていただきます。
BMWのブレーキパッドの寿命を延ばすには?
BMWのブレーキパッドの交換は、部品代や工賃を含めると決して安価とはいえません。
できるだけブレーキパッドの寿命を延ばし、安全に、且つ長く利用するのがコストパフォーマンスの観点からは良い使い方といえるでしょう。
以下には、BMWのブレーキパッドの寿命を延ばす方法について解説します。
シフトダウンを積極的に活用する
ブレーキの使用は、当然のことながらブレーキパッドの寿命を縮めます。
特に、信号直前で踏み込むようなブレーキは、ブレーキパッドの減りを非常に早くしてしまいます。
シフトダウンを積極的に活用し、エンジンブレーキによる減速を心がけるだけでも、ブレーキパッドの寿命を長くするのに大いに役立ちます。
無駄なブレーキを踏まない
無駄なブレーキを踏まないようにすることも、ブレーキパッドの寿命を長くするための良い方法です。
無駄なブレーキを踏まないということは、無意味な速度超過をしないことでもあり、安全運転にもつながります。
また、燃費向上の観点からも良い方法であるといえます。
コースティング活用する
アクセルをオフにしたときにクラッチを切って、エンジンブレーキを使わずにアイドリング状態で走行することを「コースティング」といいます。
このコースティングは惰性走行ともいわれ、コースティング走行時には燃料をほとんど消費せず、ブレーキパッドの消耗もおさえることができます。
適切な場面でコースティングを上手に活用していくことが、ブレーキパッドの寿命を延ばす上では良い方法となります。
まとめ
この記事では、BMWのブレーキパッドの交換について解説してきました。
交換のタイミングや目安、費用を知り、適切なタイミングで交換することで安全な走行が可能です。
また、ブレーキパッドを長持ちさせる走り方は、結果として安全運転にもつながります。
この記事を参考にして、ブレーキパッドの交換について理解を深めてみてください。